富士フイルムグループの
人材育成の目指す姿
富士フイルムグループが目指す人材育成
変化をつくりだす企業を実現するには、個の成長と組織の成長のスパイラルアップが重要です。そのため、富士フイルムグループの人材育成では、仕事の基盤と自己成長の基盤を身につけることを柱として、「変化を成長のチャンスととらえて、挑戦し、日々変化をつくりだす従業員」を育成するとともに、従業員エンゲージメントの高い組織づくりを目指しています。
仕事の基盤を身につける
社員の成長に欠かせないのは仕事を通じた実践の場です。富士フイルムグループでは、事業や職種を跨ぐジョブローテーションを実施しています。多様な仕事を経験することで、自ら変わり続けることの重要性を実感し、人間的に成長していくことを目指しています。また、富士フイルムでは、現在、多様な事業をグローバルに展開していますが、どの事業、どの職種においても成果を上げるために必要な共通の仕事の進め方として富士フイルムグループ独自のマネジメントサイクル「STPD(See-Think-Plan-Do)」を仕事の基盤として、社員一人ひとりが習得することを目指しています。
STPDサイクルは起きている問題の解決だけでなく、「事実をしっかり見て、本質を見極めるまで考え、課題を明確にしたうえで、具体的な実施計画をやり抜く」という本質的な課題を形成して業務を実践していく力を重視しているのが特長です。このSTPDサイクルを実践していくうえで重要なのは、役割や年齢を越えて、自らが推進していくというオーナーシップです。自分自身が掲げた課題を、自らが主体者となって周囲を巻き込みながら挑戦していく。このように仕事の基盤であるSTPDサイクルを体得し、実践していく社員の力が富士フイルムグループの創出するイノベーションの源泉となっています。
自己成長の基盤を身につける
富士フイルムグループらしい人材育成の取り組みとして、「+STORY(プラストーリー)」があります。これは、自己成長の基盤を身につけるための支援プログラムであり、さまざまな施策を展開しています。特に大切にしている取り組みの一つが「+STORY対話」です。1年に1度、社員は自らの経験を振り返り、上長との対話を通じて新たな気付きや学びを得て、さらなる挑戦に向き合っていきます。上長は、部下との対話を通じて部下の価値観や考えを理解しながら、一人ひとりの+STORYをどうサポートしていくかを真剣に考えます。
富士フイルムグループでは、「キャリア」に代わる言葉として、「+STORY」という言葉を使っています。人の経験に無駄なものは一つもなく、一生懸命仕事に取り組む中で出会うやりがいや喜び、悔しさといった感情や、さまざまな人との出会いなど、すべての経験が成長の糧となって「今」に繋がっています。さまざまなストーリーが積み重なり、どんどんプラスされていくことで、その人にしかできない「+STORY」ができ上がっていくのです。
100人いれば100通りの+STORYが紡がれていくこと。そして、その+STORY同士が繋がり組織の力となっていくこと。これこそが、富士フイルムグループが「変化を作り出す会社」であることの原動力になっています。
社員の+STORYをサポートするための
施策や環境づくりにも注力しています。
-
+STORY対話
+STORYシートの記入で、1年の業務の振り返りに加え、仕事を通じて得た、人との出会い、自身の嬉しい、悔しいなどの感情を含めた経験を振り返り、上長と対話しています。自分の考えや価値観、ライフステージの状況をオープンに上長に伝え、対話することで、経験を意味付けし気付きを得る機会となっています。上長自身もオープンに自身の経験や価値観を語り、お互いの信頼関係を築く土台とするとともに、部下の挑戦意欲の醸成を支援する機会となります。
-
+STORY LIVE
さまざまな専門性や個性、経験をもつ社員が自身の仕事や人生で得た気付きや目指す姿などを共有するオンラインセミナーを2021年3月から月1回開催し、毎回数百名が参加し、これまで延べ1万名以上の社員が参加しています。社員同士で経験や考え方を共有し、刺激し合う場を通じて、富士フイルムグループの企業文化の定着や継承にも繋がっています。
-
社内イントラネット +STORYサイト
富士フイルムグループの社員の強みを共有することを目的に、他者の経験から学ぶ、気付きを得るためのコンテンツとして、人事部長と若手社員の対談、上長・部下の対談、若手社員の座談会、社員インタビューなどを社内イントラネットに掲載しています。
-
+STORYチャレンジ制度
会社としてさらなる強化、成長が必要な部門、ポジションを公開(募集)し、社員が新たな職務に前向きに挑戦していく機会をつくる社内公募制度です。富士フイルムグループ全体で実施し、より幅広く会社・事業・職種の垣根を越えたチャレンジを促しています。
-
+STORYアカデミー
社員一人ひとりの成長に向けて主体的な学びを支援・促進するための学びのプラットフォームです。上長との+STORY対話をとおして、今後の+STORYを実現するため必要な学びを考え、「GLOBIS学び放題」(株式会社グロービス提供)、「Udemy Business」(株式会社ベネッセコーポレーション提供)のオンライン講座を通じて、ビジネススキル、MBA講座のエッセンスを中心とした専門領域や、語学やプロジェクトマネジメント、専門技術、プログラミングなどの実務領域など、2,000を超えるプログラムの中から、自身に必要な講座を自由に受講することができます。「実践」(OJT)と「学び」(OFF-JT)のスパイラルを繰り返すことで、何歳になっても+STORYを描き挑戦し続けることを促し、学び合う、教え合う風土を醸成していきます。
そして、従業員がこれらの施策と
「+STORY」の理念をつなぐ
「+STORY挑戦サイクル」を身に着けながら、
自律的に成長できるよう、後押ししています。
この取り組みが高く評価され、
厚生労働省が後援する
日本の人事部「HRアワード2023」
(主催:「HRアワード」運営委員会)の
企業人事部門で、
最高位となる最優秀賞を受賞しました。