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Interview

MIによる開発から
市場開拓までをDX化し、
お客さまが望む商品を
世界最速で作り、届ける。

仕事風景 [イメージ]

Profile

石川

イメージング・インフォマティクスラボ
2019年キャリア入社

大学院時代、燃料電池用材料の研究を行っていました。学んだ技術を社会に活かしたいと思い電機メーカーに入社して、約10年間家庭用燃料電池の開発に携わり、基礎研究から商品化までを経験しました。その間、大学との共同研究やスイスへの留学を通じて次世代向けの触媒開発・ナノ構造の3D分析・膜塗布シミュレーションなども担当してきました。2019年、マテリアルズインフォマティクス(MI)を用いた新しい材料開発がしたいと思い富士フイルムに転職、MI・AIの基礎を学ぶとともに、さまざまな商品に展開可能なMIの基盤システム構築を開始しました。現在は研究マネージャーとして、構築したMIシステムを基に新規材料・デバイスの開発支援を行うとともに、MIチームのマネジメント業務・MI人材育成にもあたっています。

転職のきっかけは何ですか?

前職で約10年間一つの商品開発に関わり、愛着はあるものの十分やり尽くしたという思いと、慣れによる自身のモチベーションやスキルの停滞に危機感をもつようになりました。そんな中、大学との共同研究や、海外留学を通じて仮想空間上で自由に材料を設計できるマテリアルズインフォマティクス(MI)に関心をもったのが転職のきっかけです。当時、まだMIに本格的に取り組んでいる企業は少なく、その中で富士フイルムは2016年にイメージング・インフォマティクスラボの前身であるインフォマティクス研究所を設立し、いち早くMIに取り組んでいました。研究所メンバーのMIへの意気込みに加えて、材料設計・塗布プロセスでも自身のキャリアと関連が深い富士フイルムで働きたいと思い、入社を決めました。

普段どんな仕事をしていますか?
また仕事をとおして大切にしていること何ですか?

MIチームのマネージャーとして、富士フイルムの機能性材料・デバイスの設計支援、チームメンバーのマネジメント業務、他社や産・官・学と連携したMI普及推進・人材育成などにあたっています。近年、登場してきた生成AIやマルチスケール数値シミュレーション、深層学習などをMIに組み込み、有機合成化学研究所やエレクトロニクスマテリアルズ開発センターなどの研究開発部門との協働でものづくりへの活用を進めています。商品としては半導体・液晶材料をはじめとして、磁気テープ、ARグラス、内視鏡スコープなどの各分野でMIを使って網羅的に設計・探索を繰り返し、研究開発のDXを促進しています。
大切にしているのは、まず協働研究先とその研究者の方に感謝し、その期待以上の貢献をすることです。また自ら協働先の開発部隊の一員になった気持ちで、現場の課題や背景・方針と向き合い、解決策を一緒に考えることを心がけています。前職では開発・製造に近い部門にいたこともあり、そこでの経験と知見が役に立っていると思います。

仕事風景 [イメージ]

仕事をとおしてどんなときにやりがいを感じますか?
また仕事をとおして大切にしていること何ですか?

MIではスーパーコンピュータを使えば、デジタル上で何千、何万件の仮想実験を行うことができます。24時間膨大な材料のなかから、最適な材料を探し続けるシステムが稼働したときは、何が見つかるのか宝探しのようなワクワク感があります。と言っても、ほとんどがNGなのですが(笑)。AI自身は解釈やコンセプト抽出ができないため、協働先の方と一緒に出てきた有望材料のなぜ?を議論したり、新しいコンセプトを考え試行錯誤したりするのが楽しく、実際の実験に採用されたときには大きな達成感があります。

前職と比較してどんな成長をしたと思いますか?
また成長環境の違いを教えてください。

電池開発一筋だった私が、AIやシミュレーションを使って半導体材料やARグラスなど、さまざまな材料・デバイスを設計し開発に貢献できるようになったことが一番の成長だと感じています。入社時は、MIの曖昧な知識しかなく、周りのレベルの高さに驚きと緊張の毎日でしたが、約2年間イメージング・インフォマティクスラボで優秀な同僚からMIの基礎を学べる環境と、実践的に有機合成化学研究所やエレクトロニクスマテリアルズ開発センターと商品開発ができる環境を与えていただき、基礎研究と応用開発の両輪で鍛えていただきました。現在は、培ったスキームを基に、有機分子から内視鏡まで幅広くMIを手掛け、MIチームのマネージャーとして牽引役も担えるようになりました。
富士フイルムでは、部署内でこれをやってはいけないという制約がほとんどなく、自ら発案し・学び・貢献するベンチャー精神を養うことができます。またチームで新しいことに取り組む際に、上司・同僚・部下を問わず、お互いに助け合える雰囲気・関係性が築かれています。そんな環境が成長を促してくれたと思います。

仕事風景 [イメージ]

仕事をとおして目指していることは何ですか?
それに向けて挑戦したいことは何ですか?

現在、化学分野では、実験データを作る・溜める・使うためのさまざまなソフト技術が構築されており、実験研究者の方がこれらを使いこなしながら効率的に商品開発をする仕組み作りが進められています。私の目標は、これら現実の実験と、MIの仮想実験とを融合させながら商品開発できるデジタルツインのプラットフォームを構築・提供し、研究開発のあり方を変えていくことです。さらに将来の夢として、MIによる研究開発と、製造・物流・市場開拓のDXとをつなげ、お客さまが望む商品を世界最速で作り、素早く届ける未来を考えていきたいです。

富士フイルムの魅力を教えてください。

研究レベルの高さだけではなく、社会のトレンドにすばやく対応していく企業文化があります。自身がもっているシーズ(技術や能力、ノウハウ)と社会のニーズをマッチングさせていく企業姿勢があり、自分の専門性を高めながら、ビジネススキルを磨けることが富士フイルムの魅力の一つです。

転職活動中の方へのメッセージをどうぞ!

富士フイルムでの5年間を振り返って、AIやプログラミング技術などのスキルが乏しかった私でも、やる気・興味をもって取り組むことで専門家に近いレベルになることができました。新しい分野に挑戦することは不安かもしれませんが、一歩踏み出す勇気をもってチャレンジしてください。転職活動がそんな次のステップへのきっかけになるはずです。

Column

  • 職場の雰囲気は?

    MIチームのメンバーは化学や情報分野出身だけはでなく、機械・電気・生物・物理など多様な専門性をもつ集団です。考え方もさまざまで、それぞれの人となりや性格も含めてその違いを楽しみ、パソコンばかりに向かわず明るく冗談が言い合える風通しのよい職場づくりを目指しています(これが意外と難しい(笑))。今後、MIのわかる人材がますます必要とされていきますので、他部署のMI人材の育成にもより貢献していきたいと思っています。

  • 休日の過ごし方は?

    学生時代はサイクリングやオリエンテーリングをやっていました。海外旅行も好きで、バックパッカーとして南米など20か国ほどを回った経験もあります。現在は子どもといっしょに遊ぶことが多く、川遊びや野草の観察、サイクリングなどを楽しんでいます。

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