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Interview

世界の医薬品格差や
医療費高騰の解決に向けて、
バイオ医薬品CDMO事業の
拡大を目指す。

仕事風景 [イメージ]

Profile

伊藤

医薬品事業部
富士フイルム富山化学株式会社
バイオ事業本部 第一部部長を兼務
1996年入社

大学院では有機化学を専攻し、生体触媒を使った有機合成を研究。誰もが知っている最終製品の開発・生産に携わりたいと富士フイルムに入社。入社後、レントゲンフィルム製造の技術部門に配属され、約10年間、生産の効率化やコストダウン、新製品の立ち上げなどを担当。その後、低分子医薬品の新工場建設プロジェクトの製造部門の担当として、富士フイルム富山化学に出向。立ち上げから安定稼働まで、約4年間携わりました。異動後、機能性フィルムの製造部長を務め、組織マネジメントを経験。入社25年目に、バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売を手掛ける、協和キリン富士フイルムバイオロジクスに出向。再度、医薬品の製造に関わりました。現在、医薬品事業部の統括マネージャーとして、国内バイオ医薬品のCDMO(開発・製造受託) 拠点立ち上げプロジェクトに関わっています。

普段どんな仕事をしていますか?
また仕事をとおして大切にしていること何ですか?

現在、国内バイオ医薬品のCDMO拠点立ち上げプロジェクトを進めています。富山化学第二工場にバイオ医薬品の複合プラントを建設し、国内にバイオ医薬品CDMO拠点を新たに設ける一大プロジェクトです。私は抗体医薬品関連の事業リーダーとして、事業企画、新工場の建設、バイオ医薬品製造のための人材育成などに携わっています。
モノづくりに関わるキャリアをとおして、二つのことを大切にしてきました。一つは「トラブルは成長のチャンスだと思う」ことです。開発や生産の過程では時々、想定外のことが起こります。例えば、フィルム製造に従事していたころ、しばしばスケールアップ時に顕在化するトラブルに苦戦しましたが、解決のための技術が磨かれ、より堅牢な製造プロセスを構築することができました。想定外のトラブルがさらなる技術力を高める好機となります。トラブル自体は望ましくはないですが、成長のためにはトラブル対応の経験は重要です。もう一つは「普通を極める」ことです。モノづくりの現場では、QCDS(品質、コスト、納期、サービス・安全)に係るさまざまな要素が絡み合うため、優先すべきことを明確にし、全体を最適化することが大切になります。苦心して導き出した答えは意外に普通に見えることが多いのですが、これは良い答えというのは多くの人が納得できるものだからなのだと思います。この「普通の答え」を見つける感覚は、さまざまな知識・情報を吸収し、モノづくりの経験を重ね、いろいろな人たちとオープン・フェアに意見を交わすことで磨かれます。

仕事をとおしてどんなときにやりがいを感じますか?

現在、世界の医薬品売上高の上位を占めるのはバイオ医薬品です。その一方でバイオ医薬品の創薬には開発コストがかかるため、医薬品格差や医療費の高騰という問題が生じています。ここにCDMO(開発・製造受託) の社会的意義があり、すでに海外ではモノづくりに長けた富士フイルムグループが存在感を発揮しています。安全・安心で効率的な製造法を確立することで、医療格差の問題解決につなげることができます。ここにバイオ医薬品分野でのモノづくりの面白さ、やりがいがあります。
今回のプロジェクトは、経済産業省所管の「ワクチン生産体制のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」の一つであり、欧米やアジアの近隣諸国に大きく差をつけられた日本のバイオ医薬品産業を盛り上げ、ワクチンの国内生産体制の強化に参画していること自体にも大きなやりがいを感じています。

仕事風景 [イメージ]

これまでのキャリアを振り返って、
どんな成長をしてきたと思いますか?

入社時は研究職を志望していましたが、富士フイルムのモノづくりに対する考え方や姿勢、技術力の高さを学び、経験する中で、製造技術職の面白さを感じるようになりました。実際、富士フイルムのモノづくりの現場には優秀な技術者が多く、そこでの経験が自身の成長につながったと思っています。今でもこの時期に身につけたことが自分のベースになっています。
もう一つは富士フイルムが事業を多角化する中、技術者として新しい分野、未知の分野に挑戦していくことで、技術者としてのキャリアを積むことができたことです。とりわけ、バイオ医薬品は技術革新が目覚ましく、世の中の最先端技術に触れる機会が多くあります。海外のグループ会社、製薬メーカー、バイオ医薬品関連のさまざまなベンダーとのつながりをとおして生きた学びを得て、一気に視野が広がり、また学ぶことのモチベーションが上がりました。

富士フイルムの成長環境の良さはどんなところにあると思いますか?

ビジネスは「人間力」が支えているという考え方が全体に浸透し、上司が部下を本気で見ているところです。自分のキャリアを振り返っても、上司によるキャリア形成の支援が大きかったと思います。上司は個々人の特徴をとらえて、キャリア形成を真剣に考えてくれている。部下育成を形式的ではなく、本質的な、重要な取り組みとして継続しているところが、人を成長させるエンジンになっていると思います。

仕事風景 [イメージ]

今後の目標と挑戦したいことは何ですか?

まずは、バイオ医薬品工場を確実に立ち上げ、安全・安心・高効率な生産を実現することです。医薬品プラントは通常のプラントに比べ、非常に時間がかかります。各種規制に沿った適格性や堅牢性などの検証に加え、国ごとの認証も必要になります。長い道のりですが、2026年の稼働開始を目指し、全力で走っているところです。
バイオ医薬品のCDMO事業は、自社だけではなく、国家的な意義も非常に大きく、この事業を成功させることが最大の目標です。
個人的な思いとして、日本のバイオ医薬品産業を持続的に発展させるために、バイオ医薬品の国内の認知度を上げ、また「モノづくり」視点での仕事の面白さ、重要さをさまざまな場で伝えていきたいと思っています。

富士フイルムの魅力を教えてください。

富士フイルムの魅力は、モノづくりの力と品質へのこだわりを武器に、変化を恐れず新しい分野に挑戦していく姿勢にあると思います。バイオ医薬品の分野についていえば、グループ会社のフジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズはバイオ医薬品分野で世界トップクラスのCDMOですが、今回の富山拠点設立プロジェクトはアジア初となるもので、富士フイルムグループとしても大きな意義をもっています。富士フイルムのモノづくりの力・品質へのこだわりは、バイオ医薬品CDMOとフィットしています。最先端のさまざまなフィールドでキャリアを積めることが、富士フイルム最大の魅力だと思います。

転職活動中の方へのメッセージをどうぞ!

世の中から見るとまだ「写真フィルムの会社」というイメージがあるかもしれませんが、現在の富士フイルムは広い事業領域で多様な社員が働いている企業です。写真フィルムで培った良き考え方や文化を残しつつ、変わるべきところはどんどん変化しています。転職者の方にも溶け込みやすい雰囲気、土壌があると思います。自分の周囲にも、他企業から転職した方が何人もいて、生き生きと働いています。まずは富士フイルムの中に自分のやりたいことがあるか、じっくり調べてみてください。

Column

  • ものづくりの面白さとは?

    一言で言えば、リアリティです。自分たちが開発したモノを、自分たちが考えたプロセスで作り、自分たちのサービスでお客さまに届けるという一連の流れは、とてもリアルで、アウトプットを実感できます。また、富士フイルムのモノづくりを取り巻く環境は目まぐるしく変化するので、飽きることがないです。

  • 休日の過ごし方は?

    若いころは勤務地の近くに自然があったので、仕事と両立させながら、スキーやテニス、ゴルフなどを楽しみました。現在は子どもたちも成人し、子育てから解放されたこともあり、休日は妻と出かけることが増えました。最近、はまっていることは、料理と家庭菜園ですが、味が再現しない料理やいつまでたってもうまく作れない野菜があり、モノづくりは難しいと実感しています。日々、修行です。

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