富士フイルムに入社を決めた理由は?
新しい価値を生み出すことに興味があり、前職でも新規ビジネスの企画開発に携わっていました。主戦場はウェブで、多くの経験を重ねていく中で、物質的・技術的な資産を持つ会社でビジネスを創出してみたいと思うようになりました。また、母の闘病、亡くしたときの体験から、情報格差やデータ利活用など、医療や健康の課題について深く考える部分があり、どこかのタイミングでヘルスケア領域に携わりたいと思っていました。この両者の志向にフィットする富士フイルムと縁があって、新しい世界に飛び込みました。
普段どんな仕事をしていますか?
また仕事をとおして大切にしていることは何ですか?
主に二つの業務に携わっています。一つは、デジタルを活用した新規ビジネスの企画開発です。中でもヘルスケア領域を中心に新規の企画開発に携わっています。既存ビジネスとの接点や還元を考えながら、ICT戦略部の持つ富士フイルムグループ全社の視点と、デジタルでビジネスを作ってきた過去の経験から、既存延長戦上にない社会課題や、新しい価値提供のあり方を探求し、事業部門に伴走しつつ、新規のビジネスモデルを構築していきます。オープンクローズ戦略を意識したり、積極的に他社との協業も行っています。
もう一つは、DXに関するステークホルダーとの関係性構築活動です。たとえば、当社のDX戦略や実行内容、それらの企業価値貢献をコンテンツに落とし込み、投資家やメディアなどに対して、どのように伝え、コミュニケーションを行うかといった戦略を立て、実行するメディアリレーションズは重要な活動の一つです。近年、社会や政府の要請により、企業はDXの取り組みについて、その中身を各ステークホルダーに開示し、対話を行うことが必須になってきています。また、オープンイノベーションや、人材の獲得、従業員のDXへの取り組みのモチベーションを上げていく観点からも、発信していくことが重要であり、このような活動を行っています。
仕事をとおしてどんなときにやりがいを感じますか?
小さく、早く、具体的に企画内容を形にできたときです。形とは、正式なサービス化だけでなく、PoC(概念実証)やβ版(試用版)も含めて考えていますが、いわゆるMVP(Minimum Viable Product)の手法で進めていき、形になったときにやりがいを感じます。たとえば直近では、医師主導の画像診断支援AIの技術開発を支援するプラットフォーム(サービス名:SYNAPSE Creative Space)のデリバリー部分の設計と実装(ユーザーがサービスを申し込んだり、サポートを受けたりといった実際に活用いただくための仕組み)をゼロベースの検討フェーズから、3か月弱で立ち上げました。小さく作っていれば柔軟な軌道修正が可能で、その積み重ねがよりよい価値提供や大きな事業を生む軌跡にもなるため、さらなる意欲が湧きます。机上で検討を重ねることも大事ですが、検討のみに時間をかけすぎず、実際に試してみるというフェーズに早い段階で進み、ユーザーやマーケットの反応を確認しながら、開発を進めていくことが重要だと考えています。小さいものでも実際に形になっているものがあると、周囲から明確なアドバイスを得たり、プロジェクトへの協力を仰ぎやすいという側面もあると思います。
DXに関するステークホルダーとの関係性構築活動においては、自身が主導して企画し、社内外へ情報発信した内容に対して、成果や反響があったときはうれしいです。具体的には「DX銘柄※」のような対外的な評価獲得へ寄与したときや協業の打診をいただいたとき。また、記者説明会で発表した内容がメディアで記事化され多くの人の目に触れ、結果的にDXをテーマにした取材やイベントの基調講演などに、富士フイルム指名で声がかかり、富士フイルムのDXについて知っていただく場がさらに増えていく、という好循環を作れているときなどです。
※ 経済産業省と東京証券取引所が、東京証券取引所の上場企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定するもの
仕事をとおして目指していることは何ですか?
それに向けて挑戦したいことは何ですか?
仕事をとおして新しい価値を生み出すことで、社会課題解決に寄与したいという気持ちが強いです。富士フイルムは独自の高度な技術や製品・サービス、そしてそれらを、困難な危機を乗り越えながら生み出してきた人材、という貴重な資産を多く持っており、そこにDXを掛け合わせることで、社会全体への影響をもたらす、より強固な価値を作り出せると確信しています。新たに生み出した製品・サービスが提供する機能的価値や、それが顧客にもたらした成果を最大化すること。また、それらの製品・サービスが多くの人に利用され、社会基盤として定着することで、持続可能な社会の実現に貢献できればと考えています。
主にヘルスケア領域に携わっていますが、未病や病気の予防も含めると、ヘルスケアは世界中の誰もが主体者となる領域だと思います。万人を対象とすることから、課題も多様であり、多様な視点での価値提供が必要になってきます。前述のSYNAPSE Creative Spaceでは、プログラミングなどの高度な工学的スキルを必要とせずに、画像診断支援AI技術を開発可能とすることで、多くの医師に利用いただき、主要疾患にとどまらず、希少疾患に対応するAI技術の開発・社会実装を加速させることを目指していますが、このような、誰一人取り残されない医療という観点も重要だと考えています。また、状況に応じて積極的に情報公開し、他社と協業体制を組み、幅広い価値提供を行うなどの取り組みを加速させていきたいです。
新規ビジネスの企画開発業務に携わって、十数年になりますが、当初は自分がサービスを作って世に出すことだけで精一杯でした。でも段々と新しい価値を生み出すこと、特に、大きな会社にいながらそれをやる意義は何かを考えるようになりました。富士フイルムが持つ技術などの資産を生かし、やり方によっては社会への影響力を持ち、多くの方へ価値を提供させていただくことができる規模の会社だからこそ実現可能な、社会課題の解決にダイナミックに寄与できるような取り組みを行っていきたいと考えています。
富士フイルムの魅力を教えてください。
多数の事業領域、高度な技術や唯一無二の製品など多様なアセットを保有するため、事業展開を幅広く検討可能な点が魅力です。私はこの環境を、可能性無限大ととらえていていつもワクワクしています。そして何よりの魅力は、一緒に働く仲間です。人柄が良くチームプレーが上手な人が多く、そして、スキルの高さには日々刺激を受けたり、学ばせてもらっています。医療×ITなど、専門スキルを複数掛け合わせて活躍している人も多いです。
転職活動中の方へのメッセージをどうぞ!
ご自身のやりたいことや職場に求めることを真正面から突き詰めて、フィットする機会を妥協せずに追求いただけると、書類や面接などでの表現も厚みのある深いものになり、素敵な出会いが必ずあると思います。私のように、その機会が富士フイルムにある方が多くいたら嬉しく思います。ぜひ、一緒に新しい価値を生みだしていきましょう。