私にとって「先生」であり、
いつでも一番の相談相手。
阿部
ミラーレスデジタルカメラの設計・開発にはさまざまな技術が結集されていますが、私たちのグループが担当するのはメカトロニクスに関わるモジュールです。設計から試作評価、量産立ち上げまで、開発のすべてのプロセスに携わっています。
北條
阿部さんには、私の指導員として入社以来ずっとお世話になっています。
阿部
北條さんのことは、事前情報で「学生時代はトライアスロンの選手、海外留学経験あり」と聞いていたので、けっこうガツガツしたタイプを想像していました(笑)。ところが、意外に落ち着いた感じの第一印象でしたね。
北條
私の阿部さんについての第一印象は、難しいことを容易に言語化してしまうコミュニケーション能力の高い人。新人の自分に、カメラのメカに関する基礎知識から設計の技術、実験の進め方まですべてを教えてくれた、まさに「先生」です。入社してからいろいろ困難な壁がありましたが、その度に阿部さんが親身に相談に乗ってリードしてくれて乗り越えることができました。
阿部
新人のころってどうしても目の前のテーマに没頭して、開発全体を見渡せないことが多い。そのあたりは特に意識して教えるようにしていたかな。でも、そう意識して教えることで、私自身も全体のスケジュールを管理する力がついた。後輩を指導することで自分が学ぶこともたくさんあります。
「自分たちがつくった」と誇れるような製品を、
人々の手に。
北條
私は学生時代、「ほかの人には頼らず自分の力だけでなんとかする」というパワー系の考え方でした。
阿部
それは1年目の仕事ぶりを見ていて、私も感じていた(笑)。
北條
それですぐに壁にぶつかって。阿部さんの仕事の進め方なども真似ながら、まわりの人たちを巻きこんで一緒に問題を解決していくように心がけました。また、何事にも前向きにチャレンジする姿勢も意識しましたね。前は「チャレンジ」だったことが、最近「当たり前」のように思えることが増えてきました。入社してからの3年間を振り返って、このあたりが一番成長したところでしょうか。
阿部
昨年は、新規モジュールの開発を2件担当したよね。近くで見ていても、北條さんは濃密な経験を積んでいると感じますね。この先、北條さんはどんなエンジニアを目指しているのですか?
北條
そうですね。将来的には、カメラの外装全体を取りまとめるプロジェクトリーダーをやってみたいと考えています。お客さまに感動を与えられる、自分たちがつくったと誇れるような製品を世の中に送り出したいですね。
阿部
確かに、それがコンシューマー製品であるカメラの開発に携わっている一番の魅力だからね。その醍醐味を体感するためにも、現在関わっている新型カメラを1日でも早くデビューさせることが私にとって直近の目標。北條さんも、私と担当するモジュールは違うのですが、このプロジェクトにも関わっているのですよね。
北條
ええ、私にとっても楽しみな開発です。このカメラが発売されたら、まっ先に買うつもりです(笑)。
阿部
開発はこれからが正念場ですね。2人ともまだいくつも壁を越えなければならないと思いますが、お互いにサポートし合いながら成長していきましょう。