「子育てしながら働きやすい環境」をフル活用し、
液晶技術の第一人者になりたい。
入社のきっかけは何ですか?
光学系のレンズから化粧品、医薬品と、富士フイルムの多岐にわたる事業領域に魅力を感じたのがきっかけです。学生時代、他分野専攻の友人と議論すると自分の視野が広がり、とてもおもしろいと感じていました。幅広い分野で成功している富士フイルムには、異なる分野をつなげて新しいものを生み出す可能性を感じ、入社を志望しました。
普段どんな仕事をしていますか?
また、仕事をとおして大切にしていることは何ですか?
業務内容は、光学フィルムの処方設計。フィルムに塗布して機能をもたせる「塗布液」の中身を決める仕事です。合成を担う部署と一緒になって溶剤や化合物を検討していくところから、生産部門と一緒に安定して製造できる処方や条件を確立して、製造移管するまでを担当します。自分がこの世に作り出した化合物が実際に商品になるところまでを見届けられるので、それが醍醐味だと思います。
どのフェーズでも大切にしているのは、データをしっかりと吟味し、科学的根拠をもって方向性を示すことです。スピードが重要な開発において、方針を誤って時間をロスすることは命取りになると考えているからです。時間がないなかでも、いかに無駄のない評価系と水準を組んで結論を出すかが、腕の見せどころだと思っています。
仕事をとおしてどんなときに
やりがいを感じますか?
課題に対してチームで解を追究していくプロセスが好きです。商品開発は多くの部署のメンバーが携わり、チーム一体となって進めます。課題に直面したとき、各メンバーが自分の得意分野から切り込んでいくと、それまでわからなくてもどかしかった事象が、まるで自分が分子サイズになってフィルムの中をのぞいているかのように、スッと解明できることがあります。そうして作るべきものの輪郭をはっきりさせていくのがとてもおもしろく、やりがいを感じます。
思い出に残っている
エピソードを教えてください。
自分が設計したフィルムのサンプルを、初めて製造機で作ったときの感動は忘れられません。処方開発は、まず数センチ角の小さなサンプルをなんとか作るところから始まり、改良を経て面積を大きくしていきます。処方への愛着もどんどん大きくなり、初めての製造機試作では、まるで自分の子どもが成人式を迎えるかのような気持ちでサンプル作製に立ち会いました。
仕事をとおして目指していることは何ですか?
それに向けて挑戦したいことは何ですか?
現在担当している液晶技術の領域で、「この分野にこの人あり」と思われるような第一人者になりたいです。そのためには仕事をとおして経験を積むだけでなく、基礎理論からしっかり身に着けることが不可欠です。仕事をしてみると、大学で学んできたことからはみ出ていることがたくさんあることに気づきます。
今は保育園へあずけている子どものお迎えがあったりして、なかなか勉強時間を取れない状況ですが、時間を作るべく日々業務の効率化を図っています。育児休業中に利用できる会社のオンライン講座で学んだPythonの知識が大いに生かされています。
富士フイルムの魅力を教えてください。
学生時代、「よい実験結果を得たければ、よい『環境』を整えなさい」と言われたことがあります。当時は実験の準備のことだと理解しましたが、富士フイルムに入社して、周囲の人から仕事に対する姿勢やモチベーションの高さなどよい刺激を受けることが多く、改めてよい『環境』で研究することの大切さを実感しています。
「仕事」と「家庭」の両立について教えてください。
子育てをしながら働きやすい環境だと思っています。子どもを生む前は、「仕事をバリバリこなすのをあきらめることもあるのだろうか?」と考えていたのですが、PCを自宅へ持ち帰って社内のネットワークへつなぐこともできますし、在宅で仕事ができる環境が整っており、特に不便は感じていません。
また、勤務している事業所へは自動車通勤が可能なため、朝は仕事へ行くときに子どもを保育園へあずけ、夕方は帰宅するときに子どもを迎えに行けます。とても効率的で助かっています。