高分子化学を駆使して、スマートフォンの性能を高める。
子どものころ抱いていた“ものづくり”の夢が叶った。
入社のきっかけは何ですか？
幼いころからものづくりが大好きで、大人になったら自分の子どもに自慢できるようなものを開発してみたいと夢見ていました。大学では高分子化学を専攻し、就職活動では高分子化学×商品開発を軸にしていました。そうしていろいろな企業を見渡したとき、一番興味を持てたのが富士フイルムでした。写真フィルム開発で培った高分子に関わるさまざまな技術を持ち、新しい価値を自ら生み出し社会に提供していこうという姿勢が、私にぴったりだと感じたのです。
現在どんな仕事をしていますか？
入社以来ずっとエレクトロニクスマテリアルズ開発センターに所属し、スマートフォンなどに搭載するカメラの部材であるカラーフィルター用の薬液材料を開発しています。この材料は、顔料の粒子などからなる有機溶剤です。ナノレベルという微細な粒子を均一に分布させるなど最先端の技術が用いられています。
よく何億画素というように、カメラの性能で画素数が話題になりますが、この性能を実現するために鍵を握る存在といってもよいのが、私たちが開発する薬液材料なのです。私は現在、この画像デバイスの分野で世界トップクラスのお客さま向け材料の開発リーダーを務めています。
普段どんなスタイルで開発を進めているのですか？
研究所での仕事というと、要素技術など基礎的な研究開発を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、私たちの研究所では、製品に直結した開発を行っています。その理由は、半導体をはじめエレクトロニクス分野は進歩のスピードが速く、研究から製品化まで一貫した速やかな体制が求められるからです。
私も、開発にあたってはお客さまと密にコミュニケーションをとり、毎週のように直接Webミーティングを行っています。ディスカッションを重ねることによって真のニーズを引き出し、速やかに製品化してお客さまの信頼を得ることを大切にしています。
仕事をとおしてどんなときに
やりがいを感じますか？
私たちが取り組む開発では、構想の立案から処方開発、製造の立ち上げまで、基本的に一人の技術者がすべて担当します。このものづくりのプロセスを一気通貫でやり抜けることにやりがいを感じています。
入社2年目、自分が担当した材料が初めて製品化されたとき、すごく嬉しかったことを今でも思い出します。しかし、そこにたどり着くまでの道のりはたいへんでした。工場での試作段階では想定できなかったトラブルが続出し、ずっと現場に張り付き、製造部門の人たちと何度もディスカッションしました。そうしてようやく課題をクリアできたとき、「大谷さんが粘り強く頑張ってくれたおかげだよ」とねぎらいの言葉をかけてもらったことが心に残っています。それだけに達成感もひとしおでした。子どものころから抱いていた“ものづくり”への夢が叶ったような気がしました。
仕事をとおして目指していることは何ですか？
それに向けて挑戦したいことは何ですか？
今後は仕事の幅をさらに広げていきたいと考えています。現在、開発チームのリーダーとして、担当するお客さまに関わる製品開発の方針やスケジュールを管理する立場にあります。将来的にはその範囲をさらに広げて、製品群全体の構想や方針の立案にも携わっていきたいですね。そのためには、マーケティングといった新しい分野の知識も必要であり、社内の制度を活用して社外セミナーなどで学んでいる最中です。職場全体でのDX推進といった活動にもリーダーとして取り組み、後輩たちがいきいきと働ける環境づくりにも力を入れていきたいと思っています。
富士フイルムの魅力を教えてください。
事業領域が幅広いこともあり、さまざまな分野のプロフェッショナルが社内にいることも魅力の一つだと思います。開発で知りたいことがあってまわりの人に相談すると、「そのことなら○○さんに聞くといいよ」と、必ずといっていいほどその分野の専門家が見つかります。また、合成や解析といった研究部門を社内に持ち、困難な課題にぶつかったときでも自社だけでスピーディーに解決できる環境も技術者としては魅力ですね。
就職活動中の方へのメッセージをどうぞ！
就職活動は、これまでの、そしてこれからの人生を真剣に考えるよい機会です。自分にとって譲れない信念、ブレない軸をしっかりと持っていれば、それだけ自分にあった企業に巡り会えるチャンスも増えると思います。みなさんにとって富士フイルムがその企業であったらいいなと思いつつ、一緒に働けることを楽しみにしています。
